チョーキングの上に塗装しても問題ない？修復手順や原因、対策方法を解説

この記事を読んでいる方は「チョーキングの上から塗装したい」「なるべく手間をかけずに外壁を塗り替えたい」と考えてるのではないでしょうか。

チョーキングは外壁の劣化サインであり「すぐにでも塗り替えたい」と思う方も多いかもしれません。

しかし、チョーキングが発生している外壁の上から塗装するのは、避けたほうがいいでしょう。

チョーキングが発生したら、まずは汚れや粉を落とし、下地処理を施してから塗料を塗る必要があります。

本記事では、チョーキングの上から塗装すべきではない理由や修復手順、防止策を解説します。

チョーキング現象の対処方法に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで見てください。

結論｜チョーキングの上からそのまま塗装するのは避けたほうが良い

結論をお伝えすると、チョーキングの上からそのまま塗装するのは避けたほうが良いです。

そもそもチョーキングとは、塗膜の劣化や施工不良によって表面にチョークのような白い粉が発生する現象のことです。この状態のまま塗装を行うと、塗料が十分に密着せず、塗装をしてもはがれてしまう可能性があります。

チョーキングが発生したら、まずは高圧洗浄やブラシで劣化した塗膜を除去し、適切な下地処理をしてから新しい塗料を塗っていきます。

チョーキングが発生する原因

チョーキングが発生する原因は、主に塗料の劣化や施工不良です。適切に対処するためにも、まずは発生する仕組みを理解しましょう。

塗料の劣化

チョーキングが発生する原因の1つは、塗料の劣化です。

外壁は常に雨風や砂、紫外線などにさらされているため、時間の経過とともに塗料が劣化します。劣化が進むと表面の塗料の成分が分解されてしまい、チョークのような白い粉が発生します。この白い粉が発生する現象が、チョーキング現象と呼ばれるものです。

特に、白色の塗料を使用した外壁はチョーキングが目立ちやすいといわれています。しかし、塗膜が劣化すればどの色の外壁でも発生する可能性があるため、早めの対処が必要です。

塗装業者の施工不良

チョーキングは、塗装業者の施工不良で起こる場合もあります。

施工不良の例としては「施工手順にミスがあった」「塗料の乾燥時間が十分でなかった」「規定以上の塗料を塗ってしまった」などです。また、職人の技術不足で塗膜の耐久性が低下するケースもあります。

塗装工程のどれか一つに不備が生じると、チョーキングだけでなく、塗装のはがれや防水性能の低下にもつながります。

チョーキングが起こった外壁の修復手順

チョーキングが起こった外壁は、以下の流れで修復していきます。

1. 高圧洗浄で表面の汚れを洗い流す
2. 下地処理で劣化箇所を修復する
3. プライマーで下塗りを行う
4. 上塗りで仕上げを行う

適切な手順で修復しないと、塗装してもすぐにチョーキングが発生する可能性があります。再発を防ぐためにも、修復手順を確認しましょう。

1.高圧洗浄で表面の汚れを洗い流す

まずは、高圧洗浄で外壁の表面に付着した汚れや粉をしっかり洗い流します。汚れや粉が残ったまま塗装すると、塗料が十分に密着しないため注意が必要です。

水圧が強すぎたり、無理に手でこすったりすると、外壁にダメージを与えるリスクが高まります。そのため、自分でチョーキングの白い粉を落そうとするのは避けたほうが良いでしょう。

洗浄後は、仕上がりを美しくするために十分に乾燥させます。

2.下地処理で劣化箇所を修復する

次に、下地処理で劣化箇所を修復する作業に移ります。下地処理は、塗料の密着性を高めるための重要な工程です。

修復作業では、外壁のひび割れ（クラック）やシーリングの劣化が発生していないか入念にチェックします。シーリングとは、外壁材の隙間を埋めている防水材のことです。雨水の侵入を防いだり、建物の断熱性能を守る役割を果たしています。

シーリングの劣化の原因や対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

関連記事：外壁のシーリングが劣化する原因とは？ひび割れ・剥離の症状や補修方法をご紹介

劣化部分を放置しておくと建物の耐久性が下がるリスクがあるため、まずは下地処理で万全な状態にすることが重要です。

3.プライマーで下塗りを行う

下地処理が完了したら、プライマーで下塗りを行います。

プライマーとは、下地と塗料を密着させるために施す下塗り材です。また、下地の吸収を均一にし、塗料がムラなく仕上がるよう調整する役割も果たします。

プライマーは「シーラー」と呼ばれることもありますが、どちらも同じ役割を果たす下塗り材として使用されています。具体的な違いや役割は、以下の記事で詳しく解説しています。種類や向いている外壁も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

4.上塗りで仕上げを行う

下塗りが完了したら、塗料を上から塗って仕上げます。塗装後は十分に乾燥させ、見栄えを整えていきます。乾燥が不十分だと表面にムラができる可能性があるため、適切な乾燥時間を確保することが重要です。

使用する塗料や乾燥時間は施工会社によって異なるため、事前に相談しながら自宅に合った最適な塗料を選ぶと良いでしょう。

チョーキングが発生しているかを調べる2つの方法

チョーキングの発生は目視で判断するのが難しいため、事前に正しい調べ方を知っておくことが重要です。以下で、簡単に調べられる2つの方法を紹介します。

手で触って白い粉が付くかどうか

まずは、外壁を手で触って白い粉が付くかどうか調べる方法です。外壁の表面に軽く触れたときに、指や手のひらに白い粉が付着すれば、チョーキングが発生している証拠になります。

粉が濃く付着した場合は、塗膜のはがれだけでなく耐水性が低下している可能性があるため、早めに対処しましょう。

水をかけたときに変色するかどうか

もう一つの調べ方は、水をかけたときに変色するかどうかです。

特に問題がない外壁は、水をはじくため変色が起こりません。しかし、チョーキングが起こった外壁は、水を吸収しやすいため変色が起こってしまいます。

表面が色濃く変色する場合は、塗膜が劣化して耐水性が低下している可能性があります。放置すると、雨漏りやひび割れが発生するリスクがあるため、早急に修繕しましょう。

チョーキングの発生を防ぐための4つの対策

チョーキングの発生を防ぐための対策を4つ紹介します。

• 耐久性に優れた塗料を選ぶ
• 外壁をレンガやタイルに張り替える
• 5～10年ごとにメンテナンスを実施する
• 経験豊富な塗装業者に修復作業を依頼する

適切な対策を講じ、快適な住環境を維持しましょう。

耐久性に優れた塗料を選ぶ

チョーキングの発生を防ぐには、耐久性に優れた塗料を選ぶのがおすすめです。塗料には種類があり、それぞれ耐用年数や効果が異なります。

以下は、代表的な塗料の特徴や耐用年数をまとめたものです。

塗料	特徴	耐用年数
アクリル塗料	発色が良いカラーのバリエーションが豊富耐用年数は比較的惨め	5～8年
ウレタン塗料	発色が良い幅広い素材に利用できる	7～10年
シリコン塗料	価格と耐久性のバランスが良い外壁塗装において幅広く使われている	10～13年
ラジカル制御型塗料	チョーキング発生の原因物質「ラジカル」の発生を抑制するシリコン塗料より耐用年数が長め	12～15年
フッ素塗料	耐久性が高く、美しい状態を維持しやすい価格が高め	15～20年
無機塗料	紫外線や雨水に強い成分が入っており、耐久性が高い職人の技量で仕上がりが左右される	20～25年

このように、アクリル塗料やウレタン塗料は発色が良く安価ですが、耐用年数が他の塗料と比べて短い傾向です。コストパフォーマンスを重視するなら、シリコン塗料を選ぶと良いでしょう。

また、ラジカル制御型塗料は、チョーキングの原因物質である「ラジカル」の発生を抑制する作用を持っています。シリコン塗料より耐用年数も若干長いため、耐久性と価格のバランスを重視する方におすすめです。

耐久性の高さと仕上がりの美しさで選ぶなら、フッ素塗料や無機塗料がおすすめです。ただし、職人の技量で仕上がりに差が出たり、価格が比較的高額になりやすかったりとデメリットもあります。

全ての塗料は段階的に劣化しますが、耐久性に優れた塗料を使用することでチョーキングの発生率を抑えられる可能性があります。業者と相談しながら、適切な塗料を選びましょう。

外壁をレンガやタイルに張り替える

現在の外壁をレンガやタイルに張り替えるのも、対策の一つです。レンガやタイルは塗装をする必要がないため、チョーキングが発生することはありません。耐久性にも優れているため、長期にわたって住宅の美観を維持できるでしょう。

ただし、全て張り替えると工事費用が200～400万円ほどかかる可能性があります。費用が高額になるため、予算を考慮しながら慎重に判断しましょう。

5～10年ごとにメンテナンスを実施する

チョーキングを含む住宅のトラブルを防ぐためにも、5～10年ごとにメンテナンスを実施すると良いでしょう。

チョーキングが発生する原因は、主に経年劣化による塗膜の劣化です。定期的にメンテナンスを行うことで、塗膜の劣化を早めに阻止できます。

また、メンテナンスでは外壁にひび割れがないか、住宅材が腐食していないかも調査してくれます。住宅のトラブルを早期に対処することで、長きにわたって快適な暮らしを実現できるでしょう。

経験豊富な塗装業者に修復作業を依頼する

施工実績が豊富な塗装業者に修復を依頼するのも大切なポイントです。

チョーキングは経年劣化だけでなく、施工不良によって発生する可能性があります。例えば、下地処理が十分にできていないと、塗装してもすぐにはがれてしまうケースがあります。

施工不良を防ぐには、実績が豊富で評判の良い業者を選ぶことが重要です。ホームページなどで評判や実績、強みとしている施工を確認し、見積もりを依頼してみましょう。

まとめ｜チョーキングが発生したら下地処理をしてから塗装を行おう

チョーキングが発生したら、まずは表面の汚れを落とし、下地処理を施してから新しい塗料を塗っていきます。

すぐに塗装すると、塗料がうまく密着せずにチョーキングが再発する可能性があるため注意しましょう。

また、耐久性に優れた塗料の選定や定期的なメンテナンスの実施によって、チョーキングの発生リスクの軽減が期待できます。信頼できる業者に相談し、快適な住まいを実現しましょう。

鎌倉市・藤沢市・逗子市で「チョーキングが発生していて心配……」とお悩みの方は、弊社「リズムペイント」にご相談ください。弊社では、チョーキングや色あせ、カビなどの原因を無料で診断し、最適な修繕方法をご提案いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

チョーキングの上から塗装しても良いかに関するよくある質問