「ALCとコンクリートの違いが分からない」
「性能が優れているのはどちらか知りたい」
この記事を読んでいるあなたは、家づくりやリフォームの外壁選びに悩んでいるのではないでしょうか。
ALCとコンクリートは、どちらも優れた耐火性・耐久性を持つ一方、防音性や断熱性などが明確に異なります。
この記事では、ALCとコンクリートの4つの違いと耐火性・耐久性の詳細、長持ちさせるコツについて解説します。

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ALCは内部に気泡を持つ特殊なコンクリート
ALCとは「軽量気泡コンクリート」という、コンクリートの一種です。
「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の頭文字を取ったもので「気泡コン」「発泡コンクリート」とも呼ばれます。
原材料は、セメント・珪石(けいせき)・石灰・アルミニウム粉末などで、生産には「高温高圧蒸気釜」などの特殊な設備が必要です。
ALC最大の特徴は、内部全体に直径約0.1mmの気泡と気泡同士をつなぐ小さな穴(細孔)が、均質かつ無数に存在することです。たとえば、スポンジや軽石などをイメージすると分かりやすいでしょう。
この気泡が、ALCの軽さ・防音性・断熱性などを生み出します。
ALCとコンクリート4つの主な違い
ALCとコンクリートの違いは、主に以下の4つです。
- 重さ
- 防音性
- 断熱性
- 強度
ここでは、それぞれの違いを詳しく説明します。
【違い1. 重さ】ALCの重さはコンクリートの約4分の1
ALCとコンクリートは「重さ」が大きく異なります。同体積で比べると、ALCの重さはコンクリートの約4分の1で、木材と同等です。
軽さの理由は、内部に存在する多数の気泡です。ALCの中身は80%が気泡などの空洞で、身のつまった部分はわずか20%に過ぎません。この特殊な内部構造が、水に浮くほどの軽さを生み出します。
ALCを外壁材に使うと、コンクリートより家が軽くなります。コンクリート造の住宅は非常に重くなるため、地盤の弱い土地には不向きです。一方、ALC造なら建てられるケースもあるでしょう。
また、軽量で建物の構造(骨組み)への負担が少なく、木造住宅に使えるのもALCのメリットです。
土地の地盤が心配な場合、地震対策で建物を軽くしたい場合、ALCは選択肢のひとつといえます。
参考:
日本セラミックス協会|ALC(軽量気泡コンクリート)
住友金属鉱山/島根大学|軽量気泡コンクリートの発泡特性の断熱性能へ及ぼす影響
【違い2. 防音性】コンクリートの防音性はALCの約1.1~1.5倍
防音性は、音をさえぎる「遮音(しゃおん)性」、音を吸収する「吸音(きゅうおん)性」、振動を防ぐ「防振(ぼうしん)性」の3つに大別されます。このうち、コンクリートが優れているのは、音をさえぎる「遮音性」です。
遮音性は重い物体ほど高くなるため、ALCより4倍重いコンクリートの方が有利になります。
実験値ではありますが、同じ厚さのALCとコンクリートを比べると、コンクリートの方が約1.1倍〜1.5倍、遮音性が高いことが分かっています。ただし、コンクリートの遮音性は音の高さ(周波数)によって変動するため注意は必要です。
近所に大きな道路や商業施設があるなど騒音が気になる場合は、コンクリートを選ぶと静かで快適な生活が期待できるでしょう。
参考:
建築音響共同研究機構|建築用の遮音構造・材料と遮音特性
一般社団法人日本音響材料協会|Q&Aコーナー
【違い3. 断熱性】ALCの断熱性はコンクリートの約10倍
断熱性(熱の伝わりにくさ)は、コンクリートよりALCの方が優れています。ALC内部の気泡にたまった空気が熱の移動をさまたげるためです。
一般社団法人ALC協会は、ALCの断熱性はコンクリートの約10倍であると報告しています。
ただし、ALCはあくまでも外壁材であり、本来の断熱材(グラスウールなど)の代わりにはなりません。家の建て方によっては、ALCの断熱性能を活かせないこともあります。
ALCだけでは「夏は涼しく冬は暖かい家」を実現するのが難しい場合もあるため、注意しましょう。
【違い4. 強度】コンクリートの圧縮強度はALCの3倍以上
圧縮強度(押しつぶしに対する強さ)は、ALCよりコンクリートが優れています。
建築基準法が定めるコンクリートの最低強度と、公表されているALCの強度を比べると、3倍以上の差があります。
しかし、ALCの圧縮強度は単純な試験値であり、外壁材としての良し悪しはこれだけでは決まりません。
外壁材のALCには、補強材として「メタルラス」という金網が組み込まれており、必要十分な強度を確保しています。
参考:
建築基準法施行令|第74条 コンクリートの強度
旭化成|ヘーベルの物性値
ALCとコンクリートの共通点|火に強く耐用年数が長い
ALCとコンクリートには、火に強く寿命が長いという共通点があります。どちらも外壁選びのポイントになる大切な要素のため、詳細を理解しておきましょう。
【共通点1】不燃材料で耐火性・防火性に優れる
ALCとコンクリートは珪石・セメントなど、燃えにくい材料(不燃材)で作られています。そのため、約1,000℃の高温にさらされても発火したり燃え崩れたりせず、有害なガスや煙も発生しません。
耐火性や防火性を重視する場合、防火地域での家づくりを考えている場合、ALCやコンクリートは有力な候補といえるでしょう。
ただし、ALCとコンクリートは500℃〜1,000℃の高温下において、変形やひび割れが起こったり強度が低下したりするといわれています。
両者とも耐火性・防火性に優れる外壁材ですが、火に対して万能でないことも覚えておきましょう。
参考:
日本コンクリート工学会|コンクリートの基礎知識 熱的性質と耐火性
首都大学東京大学院|ALCパネルの各種強度性状に及ぼす加熱の影
大林組技術研究所|高温履歴を受けたコンクリートの強度低下の抑制に関する一考察
【共通点2】錆びたり腐ったりせず耐用年数は50年~60年
長期間使い続けられるのも、ALCとコンクリートの特徴です。どちらもセメントなどの無機物が原材料のため、錆びや腐敗がないのがメリットです。
耐用年数は50年〜60年と非常に長く、その期間中は基本的に張り替え・建て直しは不要といわれています。長寿命の外壁材を選びたい方には最適といえるでしょう。
ただし、ALCもコンクリートも長持ちさせるには定期的なメンテナンスが必要です。何もせず放置すると、本来の耐用年数より短くなってしまうため注意してください。
ALCとコンクリートは「防水」を意識すると長持ちする
雨による水濡れは、外壁材の寿命を縮める原因のひとつです。ALCやコンクリートを長持ちさせるには「防水」を意識してメンテナンスしましょう。
通常、ALCやコンクリートは直に水濡れしないよう、塗装やシーリング(すき間を埋めるゴム状のパテ)で保護されています。しかし、塗装やシーリングの防水性能は時間とともに劣化していくため、定期的に補修しなければなりません。
特にALCは水にとても弱く、吸水するとひび割れを起こす性質があります。そのため、塗装やシーリングの防水性はALCの寿命に大きく影響します。
再塗装やシーリングの打ち替え(新しくすること)は新築後、10年前後で行うのが目安です。
ただし、塩害地域や雨の多い地域は塗装やシーリングの劣化が早まるため、7〜8年ほどになる場合もあります。
まとめ|ALCとコンクリートの違いを知り適切な外壁材を選ぼう
ALCとは「軽量気泡コンクリート」のことで、普通のコンクリートとの違いは以下の4つです。
性質 | 違い |
---|---|
1.重さ | ALCの重さはコンクリートの約4分の1 |
2.防音性 | コンクリートの防音性はALCの約1.1倍~1.5倍 |
3.断熱性 | ALCの断熱性はコンクリートの約10倍 |
4.強度 | コンクリートの圧縮強度はALCの3倍以上 |
ALCもコンクリートも耐用年数が非常に長い外壁材ですが、適切なメンテナンスを施さないと本来の耐久性を発揮できません。
塗装の定期的な塗替え・シーリングの打ち替えなど、防水を意識したメンテナンスで長持ちさせましょう。
当サイトを運営する「リズムペイント」は、鎌倉市・藤沢市・逗子市を中心に外壁・屋根塗装、外装リフォームを行う会社です。
累計1,000棟以上の施工実績があり、一戸建住宅やアパート・マンション、ビル、病院など、さまざまな工事に対応してきました。豊富な知識と経験・確かな技術で高品質な塗装をご提供いたします。
屋根・外壁の無料診断も実施しているので、鎌倉市・藤沢市・逗子市でALCやコンクリート外壁の塗替えをご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

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ALCとコンクリートの違いについてよくある質問
ALCとサイディングの違いは?
ALCとサイディングの違いは、種類の豊富さやデザイン性などです。
サイディングには窯業系(ようぎょうけい)・金属系・木質系・樹脂系の4種類あり、耐火性に優れる、軽いなど、それぞれ特徴があります。
また、レンガ調・木目調・ストーン調・塗り壁調など、さまざまなデザインを選べるのもサイディングの魅力です。
ALCは価格が高い?
ALCは他の外壁材より価格が高めです。
たとえば、ALCと窯業系サイディングのメーカー希望販売価格は以下のとおりで、おおよそ2倍〜4倍の差があります。
- ALC:8,000円~1万7,000円
- 窯業系サイディング:4,000円~1万円
(※上記価格は2025年2月現在・1㎡あたりのもの)
ALCは機能性と耐久性に優れる外壁材ですが、初期費用と維持費用がかかるため、トータルコストを考えて選ぶことが大切です。